Tony Williams | トニー・ウィリアムス 手足のコンビネーションフレーズ 1
Tonny Williams/トニー・ウィリアムス
youtubeでトニーの動画を探していたら、1992年スイスでの野外ライブでのドラムソロの動画を発見しました。ハービーハンコックとの共演なので、V.S.O.Pバンドとしての出演でしょうか。
1分足らずの動画ですが、晩年のTony Williamsのトレードマークでもある、ドカドカ系の手足のコンビネーションフレーズを紹介します。
ドラムソロ分析 | 全フレーズを最大音量で叩きまくる
ドラムソロの内容は、前半部分がシングルストロークとバズロールを織り交ぜた連打に、右足を加えることでメロディを奏でるようなスタイルです。
後半部分が、一旦ブレイクした束の間に、手足のコンビネーションフレーズでドカドカ叩きまくるアプローチへ展開しています。
晩年のTony Williamsは、ロック用の大きいサイズのドラムセットを一貫して使っていますが、このサイズのドラムをこれだけ大きい音量で鳴らしきってるのにも驚きますね。
フレーズ分析 | 8部音符を7,5,3つ割りした手足コンビネーションフレーズ
紹介するフレーズは、ソロ終盤(1:06~)から始まる手足のコンビネーションフレーズです。
採譜してみましたが、フレーズの譜割りが変態すぎます。一般的なロックドラマー達は、まずこんなアプローチはしないでしょう。ジャズ、フュージョンのバックグラウンドを持つTony Williamsだからこそ、思い浮かんだフレーズだと思います。
さて肝心のドラムソロの構成ですが、8部音符を7つ、5つ、3つ割りにした手足のコンビネーションフレーズの組み合わせになります。
このスタイルを習得するためのポイントとしては、以下の2点が重要だと思います。
- まず、それぞれのフレーズ(7つ、5つ、3つ割り)の練習
- 小節をまたぐタイミングで、タイムキープをしっかり行う
特に注意すべき部分は、2点あります。
一つ目は、前半部分の3つ割りフレーズが続く場面でしょう。
7つ割りのフレーズから3つ割りに移行するときに、フレーズを歌いこんでいないと、3つ割りフレーズが、3連符のニュアンスになってしまう危険性があります。(私がそうでした)
2つ目は、後半部分の5つ割りのフレーズでしょう。フレージングが、「右手+右足」から「両手+右足」に移行することと、5つ割りのフレーズ自体がトリッキーなので、遅いテンポからしっかりと5つ割りのニュアンスとフィーリングを歌いこんでいないと、タイムを見失って自爆する可能性が高まります。
まとめ | かっこいいけど、用法用量を守って正しくお使いください!
今回は、天才ジャズドラマーTony Williamsのドラムソロフレーズを紹介しましたが、いかがでしょうか。
今回紹介したフレーズは、ロックスタイル+トリッキーな感じが、かっこいいと思いませんか。しかし、使いこなすのは難しそうなフレーズだと思います。
こういうシグネイチャーフレーズと言うのは、演奏しているのがTony Williamsだからこそ、かっこいい!と感じる部分が大きいと思います。
皆さんがこういうフレーズをプレイする場合は、周りの演奏者のレベル、曲の雰囲気、フィーリングをよく理解したうえで、用法用量を守ってた正しくお使いください。