ドラムがあればいいのだ

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Tony Williams | トニー・ウィリアムス 手足のコンビネーションフレーズ 2

Tony Williamsのドラムソロフレーズ分析の第2弾です。

前回の記事で、Tony Williamsのドラムソロフレーズを紹介しました。

今回も、彼のトレードマークのひとつである、手足のコンビネーションフレーズを分析していきます。

紹介するフレーズは、1987年のTony Williams Quintetにおけるドラムソロからの抜粋したものです。

www.youtube.com

 フレーズ分析 | 8部音符の7つ、5つ割りフレーズ

10分弱の動画ですが、紹介するフレーズは7:38~前後から始まるものです。

採譜した部分は4小節で、手足のコンビネーションフレーズです。

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前回紹介した7,5,3つ割のフレーズに比べると、自然なフィーリングで演奏できる気がします。しかし、5つ割りフレーズはトリッキーなので、しっかりと歌い込んで体に落とし込んでおく必要があります。

 

フレーズの構成は、7つ割り→5つ割りの4回繰り返しで4小節になります。

 

注意点は、前回と同じ指摘になりますが、以下の2点です。

  1. 「両手+右足」のコンビネーションの練習
  2. 5つ割りフレーズのニュアンスとフィーリングを歌いこむこと

 5つ割りフレーズをおろそかにしては、このフレーズは綺麗に流れません。

時間をかけて、歌えるテンポからじっくり練習してみてください。

まとめ | 晩年のTony Williamsは、手足のコンビネーションフレーズがトレードマーク

晩年のTony Williamsのドラムソロでは、必ずと言って良いほど7つ,5つ割りの手足のコンビネーションフレーズを多用する場面が見られます。

Tony Williamsのフレーズは、トリッキーかつ高度なもので、独特のかっこよさがあります。一方で、どんなスタイルの音楽に対しても、ドカドカ系のフレーズを叩き込むといったアプローチは、見方によっては、マンネリ化、パターン化されたものと捉えられて、食傷気味に感じられることもあるでしょう。

 

なぜ、晩年のTony Williamsは、ドラムソロのアプローチがパターン化してしまったんでしょうか。Tony Williamsは、若干52歳の若さでこの世を去りますが、この動画の当時は42歳でした。

私の想像ですが、晩年のTony Williamsは、天才ドラマーとしてではなく、彼自身の生き様を表現する手段として、ドラムに向き合っていたんだと思います。

それを表現するための手法の一つとして、ドカドカ系の手足のコンビネーションフレーズをトレードマークにしたのではないだろうか。